国語の傍線と算数の補助線

先日たまたま算数の授業を見る機会がありました。

内容は図形の角度に関する問題でしたが、中々難しそうな問題でした。

そこで補助線を引こうと言う事になりまして、まずは生徒さんが引くのですが、あまり答えが見えてきませんでした。
「そこじゃない、もっと良い所があるよ。」と言う事です。

その後、先生が一本スーッと引くと、何となく解けそうな感じがしてきて、もう一本スーッと引いた途端「あっー!」と、その瞬間私もすぐ分かりました。(笑)

その時にこんな事を思いました。

「あ、これは国語の線引きと似た所があるぞ…。」

目次

それが引ければ、一気に局面が変わる。(=解きやすくなる。)

もしかしたら上級者になれば、いちいち補助線を引かなくても、見た瞬間に解けるようになるのかもしれませんね。

ただ、ピピっと線が正しく引けさえすれば、その瞬間に易しい問題へと変身してしまうので、誰にでも簡単に解く事が出来るものに変わります。

少なくとも線を引く事が、マイナスにはならないはずです。
別に大して時間も労力もかかりませんし…。

国語でも全く同じです。

大事なポイントに的確に線が引けていれば、読みやすいですし、問題で聞かれている箇所になる事が多いので、答えやすくなります。

つまり問題を解くのが簡単になります。早く処理出来ます。

引ける人にとっては簡単だが、引けない人にとっては分からない。

ただ、どこにその線を引くのか、どうしたら引けるのか、という問題があります。

そんなに簡単に引けて、そのせいでスラスラ解けるようになってしまうのなら、何の苦労もいりません。

そんな事はあり得ませんよね。

先ほどの算数の授業の補助線も、生徒は引けませんでしたし、私も思いつきませんでしたが、先生は一瞬で引けました。

一見当たり前に思われるかもしれませんが、そこに考えるべきポイントが隠れています。

なぜそこに引くのか、見つかるのか、その前の段階がある。

なぜ先生や問題の解ける人には、的確に線が引けるのか?

それは、線は単なる線ではなく、その前の段階があるからです。

つまり、どうしてそこに線を引くのか、です。

そう考えると、「はい、そこに線を引きなさいー」という形の授業はあまり良くない理由も分かります。

そこに線が引いてあるものを見れば、簡単に解けるのに決まってますが、なぜそこに線を引くのかが分からないとダメです。自分で引けるようにならないからです。

的確に線が引けるかどうかは、勉強量、慣れなどが大きく影響してきますが、教える事も可能です。

【結論】どうしたら良いか。

もちろん一番良いのは、良い指導者に教えてもらう事です。

良いというのは、どこに引くのかを教えるだけでなく、どうしてそこに引くのかまでを、キチンと教えてくれる人です。

ただそれが出来ない場合は、まずは間違えても良いので、どんどん線を引いてみる事です。

初めはトンチンカンな所に引いてしまったとしても、だんだんと正確さが増してくれば良いのです。

もちろん何も考えずに、真っ黒になるまで引きまくる…、みたいなのは良くないです。

進歩がなくてはなりません。

進歩というのは、だんだんと引く量が少なくなり、でもそれが本当に大切な所、問題で聞かれている所と一致してくるという事です。

まずは、一通り問題が解き終わったら、解答やその根拠の部分に、本文中に線を引いてみてください

問題になるという事は、ほとんどの場合、大切な部分(線引き部分)という事だからです。

なので、的確に線が引けるようになれば、逆にそこに答えがある可能性が高くなります。

抜き出し問題でも、選択問題や記述問題でも、手間も時間も省けます。

是非とも、図形の補助線を引くようなつもりで、跡を残しながら読んでいって頂ければと思います。

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