姿勢、字、礼儀と学力

随分前ですが、「今でしょ!」で有名なあの林修先生が、テレビ番組で若いお母さん相手に授業をするような形で質問に答える…みたいなのをやっていました。

その中で、「頭の良い子にするために、親が子供にやるべき事は何でしょうか?」という質問が出ました。

その答えですが、黒板に一言大きくバーン!と

「姿勢」

と書きました。

親が子供にしてやれる最大の事は、良い姿勢を身につけるしつけ、習慣作りですと…。

正直、「良い事、言うなー、分かってるなー。」と思いました。

きっと長らく予備校で色々な現実を見てきたんでしょう。
(私も見てきましたし、教えた経験のある先生達はみんな見てきたはずです。)

一見外面的な事柄なので、単なる気のせいみたいに感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ハッキリ言ってこういう事は学力に関係してきます。

物凄く関係しています。

ある意味テストなんかしないでも、何となく見るだけで生徒の学力や将来性なんかの予想がついてしまうのはちょっと怖いような気もします。
(もちろん肝心の勉強自体を全くやらなかったらダメですが…)

他にも字の丁寧さ、親や先生なども目上の人に対する礼儀(態度)なども学力に関係してきます。

今回はその事について話していきたいと思います。

目次

姿勢と学力

想像してみてください。

目の前に、背筋をピシッと伸ばし、エンピツ片手に問題用紙に向かっている子と、背中を丸め片肘をついて顎をのせ、問題用紙をジッと眺めてる子を…。

どっちが良い点数を取りそうですかね?

もちろん前者だと思います。で、たいてい当たります。

なぜ姿勢が悪いと成績が悪くなるのでしょうか?

原因は色々あるとは思いますが、まず単純に変な姿勢だと脳に血液が行きづらいです。また呼吸が浅くなって酸素も行きづらくなります。

また心と身体はつながっています

元気でウキウキしてる時に、下をジッと見つめ背中を丸めながら「元気ですー」という人はあまりいません。

逆に身体の方を変える事から心の方を変える事も可能で、そのような方法もあります。

姿勢を正すだけでも、だいぶやる気や集中力が出てくるものです。

どうしても集中が続かない(=正しい姿勢が続かない)生徒さんが、背筋を鍛えたら長時間座って勉強する事が苦でなくなり、グングン成績が向上した例もあります。

勉強ばかりで体力のない子が伸び悩んでしまうのも、この辺に原因があったりするかもしれません。

字と学力

字にも、学力が表れたりします。

まずあまりにも酷い字を書く場合、鉛筆の持ち方自体が変な場合があります。
(基本的には小学校で習うはずですが、キチンと身についていない可能性もあります。)

そんな事どうでも良いじゃないか…という意見もあるとは思いますが、実は大事です。

例えば丸まったような、いわゆるグーで握るような持ち方ですと、ペン先を常に片方の眼だけで見ている状態が続きます。目と脳はつながっているので、脳の片側しか活性化していない状態です。(右利きならば左脳が使われていません。)

あともちろん、読みづらい字は入試で圧倒的に不利です。

漢字テストはバツになり(学校のレベルもあるかもしれませんが、本番はかなり厳しいです)、記号問題は誤解され(好意的には見てくれない、というか念のため間違ってる方にします)、記述問題はキチンと読まれない(読めない?)可能性もあります。

入試の解答用紙は学校へのラブレター」なんて言葉もあるくらいです。

字にも姿勢同様、心が出てきます。本気でその学校に入れてもらいたかったら、自分しか読めないような字を書くようにはならないはずです。

そしてこれは、まず字の方をキチンとしていけば、心の方も整ってくるという事も意味しています。

また、意外かもしれませんが、頭の回転が速い子で字を乱雑に書く子が結構たくさんいます。

要は、脳のスピードに手がついていかないので、煩わしくなってきてしまってガーッと書きなぐってしまうような感じです。

もちろん基本的に難関校合格は厳しいグループの一員になってしまいます。

非常に非常に、もったいないパターンです。

何も綺麗に上手に書けなくても大丈夫です。読める字、誤解されない字、ある程度丁寧な字で大丈夫です。
(正直、私も字に関しては、お恥ずかしながら…、です…。)

礼儀と学力

ここで言う礼儀とは、敬語の使い方がどうこうとかではなく、いわゆる親や先生などに対しての態度、接し方の事です。

正直言って、とても良い学校に合格していくような子は、ここがキチンとしている子が多い印象です

自主性があって自信があったりする場合、一見生意気な感じがするかもしれませんが、やっぱり根本の所ではキチンとしています。

心のどこかに「感謝の気持ち」みたいなものが感じられるというか…。

冷静に考えればお分かりになると思いますが、まず教えてる先生に対して不信、反抗心などがある場合、習った事が頭に入ってきません時間が無駄なだけです。

また、点数が取れないのを先生のせいに出来ますので、自分は変えようとしないので、結果何も改善されていきません。

それから先生達も人間ですので、限られた時間やエネルギーをどう配分して使おうかという時、そういう態度の生徒さん(ご家庭)にも平等にしてくれてる・・と思いたいところでしょうが、本当にそう断言できるでしょうか。

なので親としては、子供が先生の悪口など言ってきた場合、かなり注意する必要があります。一緒になってあまり同調しすぎると、どんどん良くない結果へとつながっていきます。

お気持ちは良く分かりますが、本当に問題のある先生だったとしても、子供の前ではその先生を下げない事です

人間には相性もありますし、教え方もレベルも千差万別なので、もちろん合わない事もありますし、正直ハズレみたいな事もあり得るかもしれません…。

でも子供の前で、間違っても、例えば「あの先生、教え方ダメだね」とか「あの先生のせいで成績下がったのかもね」とか「前の先生は良かったのにね」とか…、絶対に言わない方が良いです。

もちろん裏で具体的な対策を立てるのは良いです。と言うより、必要かもしれません。やり方を変えたり、場合によっては環境を変えたり…。

また、いくら「難関校に受かるような子(ご家庭)は感謝の気持ちが感じられる事が多い」からと言って、教える側の方からそれを求めるのは間違っているとも思います。

ただとても多くの人達を見てきて、トップに受かるような人達に共通する特徴として、確実に存在するものの一つと感じますので、誤解を恐れずに書いてみました。

形が大事な事もある。

成績さえ上がればどんなやり方でも、見た目なんて関係ないでしょ、という意見もあるかもしれません。

ただスポーツでも何でも、初めの構えを見ただけで、実力が見えてしまったりするものです。

「形から入る」というのは、あながち間違いではないとも言えます。

あまりに目くじらを立てすぎるのも…というのも、確かにあるかもしれません。

ただあまりに酷い場合、ハッキリ言って学力に響いてきてしまいますし、入試も上手くいきません。

また集中力が続かない、ミスが多い、最近言う事を聞かなくなってきた、成績が伸び悩んできた…などなど、現在何か問題がある場合、これで劇的に改善する事があります。

少なくともトップクラスを目指していきたい…なんていう場合は、確実に頭に入れておいた方が良いでしょう。

中学受験だけでなく、ずっと人生に影響してくるような事ですし、出来る事ならば、良くしていきたいところです。

得する事はあっても、決して損する事ではないので・・・。





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