国語のテクニックとは
ここでいうテクニックというのは、いわゆる記述の書き方とか選択問題の解き方とか…、そういった類いのものです。
まず、こういったものを授業で教えない先生も、実はたくさんいらっしゃいます。
(本文の内容や背景などを説明した後に、一問一問の正解をなぜそうなるのか、淡々と説明していく感じです。)
答えしか言ってくれない先生に比べたら全然良いのですが(←ホントにたまにいます…!)、やっぱり他の問題にも通用するような「問題の解き方(テクニック)」みたいなものが聞きたい人も、たくさんいる事でしょう。
そこで書店に行けば、そんな感じの本もあったりします。また、そういう事を説明してくれる先生もいます。
しかし、同じ本を見ても同じ先生に同じ事を習っても、それが出来るようになる子もならない子もいます。
こういったお話は国語に限った話ではないかもしれません。受ける時の気持ちや復習のやり方などが違ったりすれば、ある程度は当たり前の事なのかもしれません。
でも国語の読解問題の解き方に関して言うと、他の科目よりさらに差が激しいような気がします。
はっきり言ってしまえば、ほとんど効果の出ないパターンすら、たまに見受けられます。
私が今まで、いわゆる「塾や本などで解き方のテクニックみたいなものを色々やってきたのに、イマイチ効果がなくで困っている生徒さん」を何人か見てきて、思う所があるので書いてみたいと思います。
問題別解き方の前にあるもの(全ての問題のIPS細胞のようなもの)
選択問題、抜き出し問題、記述問題…色々ありますが、実はこれらに答える前に存在するものがあります。
実は問題の聞かれ方(形式)といったものは末梢的なもので、どんな形で答えられるか、つまり求められた条件で正解を作れるかよりも、その答えの元になるものが分かっているかどうか、その違いに個人差があります。
(分かりづらいですかね…スミマセン…)
言いかえれば、その問に対して、選択問題なら選択肢を見ないでも、何となく自分の言葉で一言で近い答えが言えるかどうかです。
記述問題だったら、どんなに未熟で短くても良いので、書く前に簡単に自分の口で言えるかどうかです。
抜き出しや穴埋めだったら、探す前にこんな感じの言葉(文章)…とイメージ出来てるかどうかです。
全ては会話っぽい話し言葉で大丈夫ですので、自分の言葉で言えれば、それが答えの元になります。
これが全ての問題の聞かれ方(形式)によって変わっていき、正解が作られます。
どんな問題の答えにも姿を変えていくので、まるでIPS細胞のような感じです。
これが分かっているという事は、本文も問もしっかりと読んで内容を理解し、答えの根拠がどこに書いてあるのかも分かっているという事です。
この力があるのが、いわゆる「読解力がある」という状態です。←入試で一番試したい力です。
学校によって、選択問題が多かったり、記述問題多かったり、抜き出し問題が多かったりしますが、その試し方が違うだけなのです。
その力をつけた上で、色々なパターンの問題に対処するテクニックをつけていければ、グングンと点数に反映されていくでしょう。
でもそこがあやふやなのにテクニックばかり磨いても、結局元々ある力の中で、ほんのちょっとだけ点数が上がって終わりです。
口で聞けば正解に近いもの(答えの元)が言える子と、良く分かってない子とでは、たとえ同じ方法論を聞いても、当然結果は違ってきてしまいます。
この根本的な読解力がなくても、例えば選択問題だったらそれっぽい選択肢を選んだり、抜き出し問題だったら文字数などから答えが何となく分かったり…なんかで正解する事もありますが、そういう人は点数が一定しないし、あるレベル以上の問題になったら、一気に出来なくなります。
逆に口ではスラスラ答えられるのになぜか問題になると出来ない、という生徒もいたりするのですが、そういう子はテクニックを覚えたら一気に点数がアップします。
(塾に来たばかりだけど読書が好き、みたいな子に多かったりします。)
問題を解く前に、是非「ひと手間」を!
そういう訳で、答えの元とも言える、根本の力をつけるのが一番大事、という事になってくるのですが、どうしたらこの力を身につける事が出来るのでしょうか?
それは問題を解く時(前)に是非ちょっとした「ひと手間」を加えて頂きたいのです。
それは問題を解く前に、ちょっとだけ自分の口で答えを言ってみる。(考えてみる。)という作業です。
そんな事くらいで??
とお思いになられるかもしれません。
でも、ホントにちょっとした一手間ですが、思った以上に「効果大」なので、やる事をオススメします。
(特に国語が苦手とか、点数の上下動が激しい、とかの人は…)
体験授業などで国語の苦手な方を、今までにたくさん見させてもらいましたが、原因は大体いくつかのパターンに分かれます。
原因はいくつかに分かれるのですが、ほとんどの場合の共通点として
「適当に、何となく答えている」
という事があります。
本文に何が書いてあるか理解できない…、という場合もなくはないですが、数としては少ない印象です。
それよりも答える時に、問題がある事の方が多いみたいです。
多くの方は、そこを直していくだけで、点数が上がっていきます。
またそういう人が多いという事は、それだけでかなり他の人より上に行けるという事でもあります。
小さな事の積み重ね
問題を作る側からすると、あまり正答率が高すぎても低すぎても、力を試す目的からはある意味失敗作と言われても仕方ない面があります。
(某塾の某模試のようにワザと、ものすごく低い平均点のものを出してくるのもありますが、別の目的があっての事です。)
大きな試験などの場合、一度作った問題を会議などで話し合ったりする事が多いのですが、その時どのようにして点数を調整すると思いますか?
国語の場合(他の科目もそうかもしれませんが)、良く使われるのは、問題文の聞き方や選択肢をなんかをちょっとだけ変える、というやり方です。
ほんのちょっと言葉を足したり削ったり、言い回しを変えたりするだけで、正答率は全く変わってきてしまいます。
それは多くの人が、問題文にひっぱられたり、手がかりを見落としていたり、振り回されているからです。
本当にちょっと変えるだけで、面白いくらいに、全く正答率が変わってきます。
いきなり問題を解かないで、ほんの数秒だけでも自分の頭で考える、という習慣をつけるだけで根本の力がついて、問題文に振り回されないようになっていきます。
無駄な事はいくらやっても、一生懸命頑張っても、あんまり効果がなかったりしますが、その人に本当に役に立つ事は、ほんの小さな事でも積み重ねていけば、大きな威力を発揮する、というのが現実です。
問題を解く前にちょっとだけ自分の頭(言葉)で考える、というのは一見大した事ないようですが、いざやらせてみると、やってこなかった生徒さんにとっては、意外と面倒くさいですし、疲れますし、嫌がりますし、忘れます…。
でも、だからこそ効果があったりするとも言えます。
もし、この小さな事がお役に立つ方がいらっしゃいましたら、是非取り入れてもらえたらと思います。
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