国公立医学部の合格力上位10校の特徴
先週、ダイヤモンド社の特集記事で、国公立医学部の合格力ランキングがが取り上げられていました。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
2023年のトップ3は、1位久留米大学付設(福岡県)、2位ラ・サール(鹿児島県)、3位灘(兵庫県)でした。
ベスト10以内は、関東の学校は8位の桜蔭(東京都)のみでした。
ベスト50を占める学校名を見てまず気づくのは、中高一貫校が非常に多いという事と、首都圏の学校がとても少ないという事です。
もちろん東大理Ⅲともなると、さすがに筑駒、開成、桜蔭あたりが複数人合格校として出てきますが、それでもいつもの事ながらその上に灘が君臨し、全体としては沢山の地方の学校が入ってきています。
この現象について、地方は東京に比べて就職出来る上場企業が少ない、地方の国私立校はお医者さんの御子息が多い、首都圏は私大の医学部が多い…などなど、色々と推測されてはいますが、これを見て、塾講師・家庭教師としての自分が感じた事を書きたいと思います。
それは、入試問題や塾の特徴から感じた事でもあります。
もちろん推測に過ぎないので、本当のところ正しいかどうかは分かりませんが、原因の一つとしてあるのではないか…、と勝手に判断しています。
算数(理数系)に重きを置く。
関西の難関校に社会がないのは有名な話ですが、国語に関しても、首都圏の難関校を目指している生徒さんが見ると、ちょっと「アレ?」と思うかもしれません。(九州も近いです。)
努力した人に報いたいというか、入ってきてから育てようというか、まぁ・・・そんな感じです。
当然、塾のテキストにも影響してきます。
良くないという訳ではないのですが(特に灘中合格No.1の某塾は、最近は学年が上がるにつれて気合が入ってくるようです)、関東の学校を受ける場合には多少修正(補強)もしておいた方が良いと思います。
「算数は関西、国語は関東の方が難しい」なんて事が言われたりもしますが、ある意味当たってなくもありません。
医学部ともなれば、もちろん理数系の力は必須でしょうから、これは多少影響しているのではないでしょうか。
勉強に向かう姿勢。
これはもしかしたら、私の独断と偏見かもしれませんが、実は大いに関係があるような気がしています。
私の何人かの知っている中ではありますが、卒業生、働いていた先生、通っている生徒さん…、調べたところ、どうやら共通点が浮かび上がってきました。
それは勉強に対しての姿勢、みたいなものです。
私もこの業界が長いので、また自分の子供の頃と比較してもヒシヒシと感じていますが、厳しさよりも楽しさ、快適さ、みたいな流れがあります。
これはもちろん勉強だけに限らず、世の中全体が豊かになって、そうなっていますので、仕方のないところではあります。
そんな中で、関西系の塾はまだその厳しい風潮が残っているみたいです。
(20年前の卒業生が言うには、昔はさらに凄まじく激しかったとか…(笑))
ちなみに九州も、まだ関東よりはそれに近い所があるみたいです。
それこそ身体的な姿勢に始まって、字の丁寧さ、勉強時間、先生に対しての態度、心構えから、板書写しなど手を動かす、いわゆる今の子達が嫌がるような部分にも、厳しくチェックを入れていくとか…。
でも、通っている子達が嫌がってるのかというと、そんな事もないんですね。
私が小さかった頃も、怖い、厳しい先生を面白がって、結構なついていたりした記憶があります。昭和、平成初期位まではそんな感じじゃなかったですかね。(もしかして私だけでしょうか…?)
その良き文化がまだ残っているとも言えるのでしょうか。
そしてこれも毎年、つくづく感じているのですが、やっぱり受験においては、最終的にはメンタルが、一番大きく関係してきます。
そう考えると、数年後の医学部受験という時に、この勉強に対しての姿勢みたいなものが、大いに関係してくるのではないだろうか、と考えています。
まとめ
という事で、記事を見て、最近思っていた事がつながったので、書いてみました。
関西系の塾も最近どんどんとこちらに進出してきています。
関東の塾も影響を受けるのか、または関西系は関東には馴染めないのか…、注目したいところです。
それにしても関西パワーは凄いです。開成の社会の東京問題は関西陣へのささやかな抵抗のような気がします。
(日程的にも、なぜわざわざ来るのだ…、という気持ちにもなるでしょう。)
もちろん首都圏の受験生でも厳しさに耐え、強靭なメンタルを持った子もいます。ただ全体的にそういう風潮があるというのは、また凄い事です。
数年後、大学受験で戦う時、少なからず影響するのでは…というお話でした。
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