例えば、IAEAなど、「いわゆる国際関係の所で出てくる機関で英語のアルファベットの並んだもの・・・、これが覚えられなくて困っている」と言うご意見をよく聞きます。
確か昨年の暮れの直前期でしたが、電車の中でおそらく塾の先生の手作りとおぼしきプリントを必死に覚えているグループと鉢合わせになりました。
ちょっと覗いてみたら、それ系のものがズラーッと一覧になったものを、一生懸命みんなでテストし合っていました。
ちょうど今、6年生はその辺の時期に入っているところも多いらしく、つい先日の受験相談でも「何か困っている事はないですか」と聞くと、「そういった類のものを覚えるのに苦労している、何度やっても忘れてしまう・・・」と言うご意見を頂きました。
どうしたらこういったものを覚えやすくなり、忘れにくくなるでしょうか?
丸暗記を止める。
実は中学生以上であれば、状況は少し変わってきたりします。中学生は英語が始まるからです。
「小学生でもアルファベット位知ってるよ。」とおっしゃるかもしれませんが、そういうことではありません。
UNESCO、UNICEF、UNHCR、UNEP、UNCTAD・・・。
何かこれらの共通点に気がつきますでしょうか?
そうです!皆始まりが「UN」だということです。
「UN」は、「United Nations」、つまり国際連合(国連)を表します。
IAEA、ILO←では、これは?
そうです!始まりが皆「I」、「international(国際)」になっています。
これだけでも、だいぶ覚えるのが楽になると思います。
要は、英語(元の言葉)を初めから捨てきらない、という事です。
IAEA(国際原子力機関)であれば…
「え〜と、Iでインターナショナル(国際)、AEはアトミック、エナジー?エネルギー?…」みたいに、適当でも(完璧でなくても)大丈夫です。覚えるきっかけにさえなれば,,,。
WHO(世界保健機関)とWTO(世界貿易機関)を間違えたりする人がいたりしますが、「ヘルス(health)=健康」と「トレード(trade)=貿易」とか、少しでも頭の片隅にでもあれば、なかなか逆にはしないでしょう。
アルファベットだけ見たら、確かに一文字違いですが、全然別物なので…。
完璧でなくても大丈夫です。中学校に入ってからきちんと覚えましょう。
ただ日本語の中に結構カタカナ語として、英語も入り込んできているので、おそらく全くチンプンカンプン・・・という感じにはならないのでは、と思います。
勉強の基本。
もちろん声に出したり、手を使って書いたりするのは、記憶にとって、とても役に立つ良い方法です。
ただ小学生にありがちなパターンは・・・
「PKO、国連平和維持活動、PKO、国連平和維持活動….、NGO、非政府組織、NGO、非政府組織…」と繰り返した後、しばらくすると、二つがゴッチャになったりします。(だいたい一緒の時に覚えるので…)
大人からしたら、「ピース(平和)のP」と「否定のnot(正確にはNON)」をなぜ逆に??、と思ってしまいますが…。
「丸暗記」はなるべく、どうしても仕方ないところ以外は、極力少なくしたいという事です。
すべての科目、すべての分野において、100%は無理にしても、なるべく無味乾燥な「丸暗記」は減らした方が良いのは言うまでもありません。
根本からの理解にならないですし、応用も効かないですし、そもそもつまらないです。
アルファベットの並んだ国際機関などを覚える時は、まだ小学生は英語を始めていないですし、丸暗記に走ってしまいたくなる気持ちもわかります。
でも、完璧ではなくても良いので、なるべく少しでも「根本」からやっていけるようにすると良いと思います。
そっちの方が後で役に立ちますし、結局は近道ですので・・・。
まとめ
「国際関係の用語が覚えられない」という事をよく聞くので、覚え方を書いてみました。
アルファベットが、づらづらづら〜と並ぶものは、確かに機械的に繰り返すだけだと、覚えづらいのかもしれません。
FTA(自由貿易協定)をFree Trade Agreement としっかり覚えなくても、フリーなトレード?くらいな感じで、いわゆる引っかけ材料にする位で十分だと思います。
実際私の授業はそんな感じですが、国際関係の用語が覚えづらい、などという話は一度も出た事はありません。
なので、これは有効な方法だと思っています。
別にココだけの問題ではなく、例えば地理の統計が覚えづらいなどの話もよく聞きますが、結局「丸暗記」しようとしている人達です。
「なぜそうなるか?」で覚えれば、すぐ覚えられますし、応用問題も対応出来ます。
「丸暗記はなるべく減らしていきましょう!」というお話でした。
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