ものすごくやる気があって、他の科目は努力の成果が出ているのに、なぜか国語になると「何をして良いか分からない」という事で、後回しにしてしまっている人が結構いらっしゃるようです。
でも何となく、そのお気持ちも分かります。
塾で問題を解いてきて答えを覚えてしまっているし、じゃあ他の問題集なんかをやるにしても、国語に関して言えばテストで同じ問題は出ない訳で…。
なぜ国語だけこんな事になってしまうのでしょうか?
国語専門の塾みたいなのもたくさんありますし、そういう所で全く成果が出なかった方を持たせて頂いた事も結構あります。
いつもそんな時、いったいどんな事をやってきたのかを聞くのですが、ハッキリ言わせて頂きますが、国語専門と銘打ってる所は怪しいものであふれかえっている気がします。
もちろんキチンとやってらっしゃる所もあるかもしれませんが、「ウチに来ればこんな事をするだけで、すぐ出来るようになりますよ〜」的な、なんかダイエット、美容、英会話…などの世界と似ている感すらあります。
なぜやるべき事が見えづらいのか?
もちろんやるべき事はありますし、ハッキリしています。
一番簡単なのは、予習シリーズでも何でも良いのですが、問題集などの先頭にある小4、5あたりの目次などを見てみてください。(小6はすでに仕上がっている前提なので、テーマ別になっています。)
一例として「物語文」ですが、たいていの場合、まず最初に「場面」のような所から始まり、次に「心情」→「心情の変化」→「性格」→「主題」みたいな感じでしょうか。
最初の「場面」、いつどこで誰が何をしたという「あらすじ」が分かっていないのに、棒線部の所の「心情」が分かるという事があるでしょうか?
逆に情景がありありと頭の中で、あたかも映画を観ているように再現できていれば、何となくでも気持ちが分かるのではないでしょうか?(もし違うのなら、映画を観ても漫画を読んでも、全然面白くないはずです…。)
このように身につけていくべき順番というものがあり、それは別に隠されている訳でも何でもないのですが、問題は国語はそれをマスターしなくても次に進めてしまえるという事です。
そのため身についていない事に気づきづらくなってしまっています。
また例えば「場面」という単元の所でも、国語の場合、そこに一緒に他の問題もたくさん出ているという事があります。
算数など他の科目であれば、そこの部分をキチンと身につけるために類似問題をたくさん並べる事も可能ですし、それを繰り返して解くという事が出来ますが、国語では無理です。
もしそうすると問題の数に対して、物凄い量の本文を載せなくては、ならなくなってしまいますので…。
何を勉強したら良いのか?
結論として何を勉強したら良いか、という事ですが、それは「身につけるべき順序でキチンと身についていっているか確認する」、また別の言い方をすれば「どこでつまずいてしまっているか見つけて、そこから補強していく」です。
具体的には、塾から帰ってきたらもう一度本文と問題に目を通すのは良いのですが、それだけだと人によっては、効果としては弱いです。
問題に聞かれていない所、例えば物語文であればあらすじを聞いてみるとか、どんな人物か聞いてみるとか、説明的文章であれば何の話題について書かれているか聞いてみたり、指示語の指しているものを聞いてみたり…。
ただ闇雲に問題を解くだけではなく、どこでつまずいているのか探り探りしながら聞いていき、そこを見つけ出したら補強していく事です。
ハッキリ言ってこれは骨の折れる作業なので、プロに任せてしまった方が楽ですが…。
ご家庭でやられる場合は、どこで出来なくなってしまっているのか問題集の目次や、四谷系であれば「四科のまとめ」もありますし、サピックスなら「年間学習法」、他の塾でもやる順番は分かるはずですし、それを意識する事をお勧めします。
もちろん現在順調に成績が伸びていっていらっしゃる方は、身につけるべき事が順番についていっているという事でしょうから、今まで通り普通に復習を続けていってくだされば良いと思います。
もしそうではなく、いくらやっても成果が出ない、むしろ下がっていっている、などとという方は、どこでつまずいてしまっているのかという視点を持つ事も、とても大事になってきます。
少なくともやるべき事
「どこでつまずいているのか見つけ出し、そこから補強する」というのがベストですが、楽な作業ではありません。
逆に言えばそれを見つけるのがプロの仕事ですし、そのためにプロ講師というものが存在する意義もあるので…。
それでも、もしそれが出来ないのであればやる事はないのか、というとそんな事もありません。
もし今までやってなかったならば、是非すぐにでもやって頂きたい事があります。
それは「答えの根拠」をしっかりと意識して勉強していくという事です。
塾から帰ってきて、単に問題を解き直すのではなく、「なぜその答えになるのか、どこに書いてあるのか」を確認しておく事です。
これであれば、自分でも出来るのではないでしょうか?
この力がないと感覚だけで解くようになってしまいます。
感覚も悪くないですが、それに加えて論理、客観性も大事です。
テストの時にそれがないと、例えば選択肢を選んだとしても自信が持てずに迷ってしまい、時間が足りなくなってしまう・・・、などの結果になってきてしまいます。
国語は何を勉強したら良いか分からないという方、特に何もしてなかったという方は、まずはこれをやるだけでも効果大だと思います。
知識系の復習に加えて、是非やってみてください。
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