「抜き出し問題」というものがあります。
選択問題や記述問題ほど花形ではありませんが、こやつの扱い方を間違えると、とんでもない事になってしまいます。
特に模擬試験、また附属校などに多いですが、学校によっては致命的な結果につながってしまいます。
見つからない、または見つかるにしてもえらく時間がかかってしまって、他の問題が解けなくなってしまう・・・などなど。
抜き出し問題の原則(公式)
やみくもに答えを探しても時間ばかりかかってしまいます。必要なのは「正しい探し方(解き方)」です。
もちろんまずは、本文の正しい読み方というものがあります。物語文なら物語文の、説明的文章、随筆分ならそれぞれに応じた読み方が・・・。
その上でのお話にはなりますが、抜き出し問題はこう解くというやり方があります。それは一言で言ってしまえば・・・
「問題文や本文中の手掛かりがある場合は見逃さず、探す時には『見当』をつけてから探す」という事です。
そして、見当というのは三つあります。それは・・・
「①意味②形③場所」の見当です。
これで解けないものは、ほとんどありません。なぜならそんなものは問題になりにくいからです。
この解き方はもう公式みたいなものなので、もう暗記してしまって、あとは使いこなす練習、トレーニングあるのみです。
ある生徒さんですが、学校から帰ってきたら毎日数分間、お父様とゲーム感覚で探すトレーニング(?)をしていたら、私もビックリするほどの、とんでもないスピードで探せるようになってしまった、というような話もありました。
それではいくつか例を見ていきましょう。
法政大学中(2018 2回)2⃣
まず傍線部の中に、「そんな」と指示語が入っています。
(傍線部の中や前後、または形式段落の頭などに接続語や指示語が入っている場合は、敏感にならなくてはなりません。無意識レベルで反応出来る位までになっておきましょう。)
そこで傍線部の直前を見ると、「つまり」とあります。「つまり」は前に言った事をまとめたり、言い換えたりしているので、その前の段落へ、さかのぼっていきます。【←③場所の見当】
また問題文中に「どのような感情をこう表現している~」とあるので、探すべき部分は「感情」を表す部分であり、もっと言ってしまえば、抜き出す部分のカタマリは最後が名詞で終わる形(「~感情」の言い換え)で、「~感情、心、気持ち、フィーリング、意識・・・」などその名詞は「感情」と似た意味の語句になる可能性が高いです。
さらに16文字で(慣れてくれば、だいたいこの位の大きさと目で絞れるようになります)、「モノを~」につながる形となります。【←③場所①意味②形の見当】
そう考えながら直前の段落を見ると、やはり「意識」「気持ち」「感覚」などの言葉があるので探してみると、条件や内容から「使う人々の暮らしを軽んずる気持ち」が正解と分かります。
ちなみに答えの部分直前の「それを」が問題文で指定されている「モノを」に対応します。それも手掛かりの一つです。
このように問題文の中に多くの手掛かりが隠されている事があるので、どこまで活用出来るかが大きな差を生みます。
早稲田中(2016 1回)2⃣
この場合も、傍線部の直前に「こういう」と指示語が入っているので反応しなければなりませんが、これは直前を指している訳ではありません。
かと言って後ろを指している訳でもなく、一般的な漠然とした例を指して使っているに過ぎません。(さすがよく考えられています・・・。)
直前ではないですが、この「習性」は「いきもの」についてなので、まずは「いきもの」について書かれている場所に見当をつけます。
そうすると上の段の終わりから8行目の「たとえば」の後あたりからの部分が見つかります。【←③場所の見当】
(言われれば簡単そうですが、この後ものすごく長文が続く事を考えると、もしそんな所まで見ていったら大変な事になります。そして実際、そういう人が結構います。)
「習性」とは「こういう時にはこういう風にしてしまう」みたいな意味なので、そんな意味で【←①意味の見当】、さらに最後が名詞で終わり(←「~習性」の言い換え)、その名詞も「こんな時はこうしてしまう」的な感じで、5~10文字位の大きさのカタマリになります。【←②形の見当】
さらに言ってしまえば、「いきもの」の習性なので、「いきもの」やそれと似たような意味を表す言葉(例えば「生物」など)の近くにある可能性が高いです。それを目印のようにして、目を動かしていくとより速く見つかります。【←③場所の見当】
この「目印となる言葉の近くを探す」という技は、是非とも覚えておいて損はありません。
そうすると、上の段終わりから5行目の「いきもの」の次の行、つまり終わりから4行目にある「行動のパターン」が正解と分かります。
まとめ
とにかく抜き出し問題は、「内容が分かった上で、本文や問題文中の手掛かりは最大限活用し、意味・形・場所の見当をつけて探す!」
これしかありません。
後は正しい方法で、練習あるのみです。必ず誰でも出来るようになります。
もし今まで何となくやっていた人は、是非とも正しいやり方で勉強していってください。
必ずやテストや入試で、良い点数が取れるようになるはずです。
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