「大人と子供の時間感覚の違い」から起こる様々な問題について

子供の頃、夏休みの宿題が終わってなくて8月の終わりの方に焦ったり、学校などに遅れそうになって親にお尻を叩かれたりした経験はないでしょうか?
(なかったならスミマセン、私にはあります・・・。)

また友達と遊んでたら、いつの間にかすぐ帰る時間になってしまったりした経験はないでしょうか?

子供と大人は時間感覚が異なっています。これは大人に比べて子供は目の前の事に熱中してるからだとか、知らない事が多いので新鮮な気持ちで生きているからだとか、色々な理由が言われています。

目の前の事のみで生きているというのは、大人からしてみたら少し羨ましい面もありますし、素晴らしい面も多々あると思います。

でも受験という事に限っていうと、ちょっとばかり問題が起きる事もあります。

目次

入試まであと8ヶ月?

年を取れば取るほど、一日や一年が短く感じられるようになると言われます。

でも当たり前ですが、一日は一日、一年は一年です。

例えば関東の小6生であれば、入試まであと8ヶ月くらいです。
(焦らせてしまったらスミマセン…。)

この8ヶ月少々、1週間が30数回分で本番がやってくるという感覚大人と子供では、正直全く違うと思います。

なので、いつもの光景ですが…

「あんた分かってるの?入試まであと〇〇しかないのよ!どうするの⁈」

「うーん、そうかもしれないけど…。」

のような不毛な戦い(?)のようなものが繰り広げられる訳です。

焦る親 vs マイペースな子供、のような…。

でもこれは根本的な時間に対する感覚が違うので、仕方ないと言えば仕方ありません。

さすがに3ヶ月前くらいになってくれば、残り少なさを感じ始める子がほとんどですが、個人差があるのもまた事実です。

成長には早い遅いの個人差があるのと同じで、確かに差はあります。(良い悪いの問題ではなく。)

個人差はありますが、どんなに大人っぽい子でも大人と同じという訳にはいかないので、そこは大人側としては、嘆いたり感情的になったりするのではなく、冷静に対処したいところです。

ここで私が今まで経験した中で、そこから発生する問題について、気づいた事をお話したいと思います。

いつも試験時間が足りなくなる。

「いつも試験時間が足りない、時間内に終わらない…。」という方、いらっしゃいます。

試験というのは、この解き方でこの位の速さで解けばこの位まで終わる、と考えて作られています。

もちろん変な解き方をしているとか、知識があやふやで思い出すのに時間がかかっている…などなど、他にも考えられる理由はありますが、この「子供の時間感覚でのんびりやっている」という事も原因として、かなりあり得ます。

そんな時は、問題ごとに時間を決める(時間を分ける)というやり方で随分改善する事があります。
(短い時間なら、大人とそれほど違わないので・・・。)

あとは、「試験時間が少なくなってから急ぐのでなく、最初から急ぐ」精神を身につけるために、短時間で終わるものから徐々に長いものへと練習していくという方法もあります。

他の子に比べて、一日のうちで量がこなせていない。

時間はキチンと取っているのに、大した勉強量のものがこなせていない、というパターンもあります。

これも無理矢理やらされているので形だけ勉強してる風を装っていたり、あまりたくさん出来ると際限なくやらなくてはならないものが増えていくので力をセーブしていたり…、などの場合もありますが、「単純に時間感覚が幼いだけ」という事もあり得ます。

気がついたら時間が経ってた…みたいな感じです。

この場合は、「最初から急ぐ」というよりも、「先に終わらせてしまって、後でのんびりする(スッキリする)」というように、幼い時間感覚の影響を受けないように、とにかく早く終わらせてしまって別のやりたい事をする、という気持ちでやると上手くいく事があります。

例えば、「この後に野球の練習があるから、トットと終わらせないと…。」みたいな状況の子が、物凄い集中力を発揮して、素早く課題を終わらせたりするようなイメージです。

大切なのは、子供がやりたい事のために課題を早く終わらせたからと言って、欲をかいてどんどん際限なく量を増やしていってはマズイという事です。

そこは慎重に話し合って、少しずつ増やしていくのが良いと思われます。

1867年応仁の乱?

この子供の時間感覚が、社会の歴史分野で影響したりする事もあります。

室町時代の応仁の乱ですが、1867年などと答えたりする人がいます。
「人の世虚しい(1467)応仁の乱」、「一夜虚しい(1867)大政奉還」がゴッチャになってしまうのでしょうか…。

今からたったの約150年前が室町時代とは、やっぱり1年、10年、100年…の感覚のある大人からすると変です。

小学校である程度の年齢になるまで歴史をやらないのは理由がある、と聞いた事があります。

やはり人の成長と時間の捉え方の間には関係がある、からでしょう。

しかし、それでも入試はやってくるので、そんな事を言ってばかりもいられません。

100年前と500年前の違いがピンとこない子でも、一日の中で朝昼夜の感覚はあるので、大丈夫です。

正確な時間感覚では掴めてなくても、長い時間を縮小して間隔(時間の割合、出来事の順番など)が合っていれば、歴史は身につけられます。

具体的には、時代の切れ目を、出来れば年号までしっかりと覚えて、その中での因果関係(流れ)をストーリーのように頭に入れられれば、大丈夫です。

大人と子供の時間感覚のズレを知っておきましょう。

時間の捉え方は年齢と共に変わっていきます。

大人になってからも年を取るにつれて変わっていく位ですので、子供と大人では全く別物と考えた方が良いと思います。

そこを知った上で、話し合ったり、考えたりする事が大切です。

感覚が違えば、当然感情も違ってきます。

もちろん私達も子供の頃はあったのですが、どうしても感覚的なものは忘れてしまっているのが残念です。

これから入試が近づいてくるにつれて、特に初めての受験だったりすると、子供がのんびりしているのを見てついイライラしたり焦ったりするかもしれません。

でも元々の感覚が違う相手にいくら理屈を言っても、深い所から共感させるのは難しいのかもしれません。

むしろお互いにとって、逆効果になりがちです。

今回お話したように、「相手は根本的に感覚が違うんだ」という事を認識しておくだけでも、何か問題が起こった時に良い解決策につながっていく場合もあると思います。

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