いよいよ「受験の天王山」夏休み(夏期講習)が近づいてまいりました。
もちろんですが、ここの使い方は非常に大事です!
ここで、一気に「潮の流れ」が変わる事は充分にあり得ます。
良い意味でも、逆の意味でも…。
毎年毎年、数々の生徒、ご家庭を見てきた経験からも・・・
チャンスを活かしてほしい!
もう悲劇を見たくない⁈
との思いでいっぱいです。
本当の意味で形(結果)に出てくるのは3ヶ月後位とのお話もあります。(←怖い怖い…。)
正直な話、人によってやるべき事はバラバラなはずです。
現在の成績も目標も性格も何もかも、置かれた状況は人によって様々なので…。
でも、それでも共通する部分もたくさんありますので、今回はそれについてお話してみたいと思います。
①メンタル面から。
メンタル面は大切です。
気をつけるべきオススメのポイントは2点です。
1.良き流れを作るキッカケとする。(受験に向けて気合いを入れる。受験生となる。)
この時代に気合いとか、精神論的なものを語り始めると、時代遅れな・・・と嫌な気分になられる方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし、中学受験において「気持ち」(メンタル面)は、めちゃめちゃ大事です!
一番大切であると言っても過言ではないでしょう。
「何言ってるんですか!気持ちで受かったら楽ですわー!」
「現実的に出来るか出来ないか、能力の問題でしょう⁈」
と言いたくなるお気持ちも分かります。
しかし、実は能力、脳の動きもメンタル面の影響をとても強く受けるのです!
受験勉強中もそうですし、何と受験当日の点数まで、当日のメンタル次第で、ハッキリ言って全然違ってきます。
「中学受験はもう一度同じものを繰り返したら、半分以上が入れ替わる。」・・・なんていう話もある位です。
それ程にまで大切なメンタル面ですが、それを作り始めるキッカケとして最適なのが、夏休みなのです。
新学年に上がった時など環境の変化する時がチャンスなのですが、時期的に見ても本番まで半年を切るこのタイミングが一番ベストなのです。
ただ気をつける点が一つあります。それは…
「夏休み(夏期講習)に入った時から急にやろうとするのは危険だ!」と言う事です。
「車は急に止まれない」ではないですが、「人は急に変われない」のです。
今のうちから、
夏は特別、夏はチャンス、ここで全て決まってくる・・・etc
と、少しずつ、さりげなく意識の中に刷り込んでいくことが、非常に大切です。
ちなみにメンタル面だけでなく、実際の勉強においても、夏に何とかしたい事は、少しずつ始めておいた方が良いです。
②期待しすぎないこと。(欲張りすぎないこと。)
かと言って、夏休みだけで全てモノにしようと、あれもこれもと欲張りすぎたり、絶対に結果を出そうと期待しすぎたりするのも、よくある失敗のパターンです。
いくら学校がないと言っても、たった6週間程度です。
しかしながら、この期間、やり方次第では物凄い力をつける事が可能なのも事実・・・。
では、いったいどうしたら良いのでしょうか?
それは一言で言えば、「優先順位をつけること」です。
例えば、社会であれば、漠然と「夏は社会を頑張る」ではなく、「まず歴史だけ(場合によってはさらに細かく)何とかする」みたいなイメージです。
もちろんこれは個人差、状況の違いが大きいので、計画は人によって全く違ってきます。
(こういう時にこそ、ゴールまでの距離と現状、能力や性格などを把握して、最善のプランが立てられるプロの力が生きてきます。)
大切なのは、紙に完璧な計画を書いて計画倒れにならないよう、まず○○だけは→その次は△△と、優先順位をつける事です。
②具体的な勉強面から。
具体的な勉強面に関しては、本当に個人の状況により千差万別です。
しかし、これもやはり共通しているポイントがあります。
それは簡単に言ってしまえば、「まとめ」と「準備」です。
1.「まとめ」とは?
これは知識分野の抜けをなくす(国語なら知識系はもちろん、一通りの文章、問題です。)、もっと言えば、全範囲が同じくらいの濃度で頭に入っている状態がベストです。
模擬試験も後半からは基本的に範囲というものがなくなります。つまり本番に近づいてきます。
こっちをやったらこっちが薄くなる・・・。秋以降こういう状態では、いつまで経っても成績は変わりません。いや、むしろ下がっていくでしょう。
夏にある程度のラインまで全範囲を頭に入れておいて、秋以降はそれをキープしつつ(もちろんそういう勉強を続けつつ)、志望校に合わせたり、必要な分野を強化したりしながら、一番合格に必要な力を最短距離でつけていく、鍛えていく、そういう感じです。
大手集団塾の夏期講習も全て(←最近全てではなくなってきてるみたいですが・・・)、そのように組まれています。
ただここで絶対に気をつけて欲しい、知っておいて欲しい事柄があります。それは・・・
塾は教材、カリキュラムは与えてくれるが、別に覚えさせてくれる訳ではない!
という事です。(当たり前かもしれませんが・・・。)
間違っても、行っていれば何とかしてくれる、という考えは危険です。
自分できちんと覚える(確認する、整理する)という事が必要です。
そこで、レベル、得意不得意などによって、やるべきものの取捨選択が必要になってきます。優先順位づけです。
塾の方もある程度分かっているので、全員にとって大事な所は、チェックテストのような形で毎回実施していることが多いみたいです。
ただこれも色々な生徒さんを見ていると、細かい所まで聞いてくるテストもあったり、単に前回の復習のテストだったり・・・。
(本当は塾やテストの具体名を挙げたくなってしまいますが、やめときます・・・。)
なので、結論としましては、塾の教材、講座はやらされる、とにかくこなす、というよりも、
「自分の勉強に利用する。」(場合によっては、夏に終わらない人は秋以降も少しくらいはみ出してもやる。)
という感じで、使うのが良いと思います。
2.「準備」とは?
イメージとしては、大手塾の応用系のオプション講座(単科講座)、もしくは問題の終わりの方にある応用問題、みたいな感じです。
これらが秋からの、いわゆる「準備」のためのものですが、実は二つの意味合いがあります。
一つは、目指す学校の問題に(少しだけ)慣れるためです。
今まできちんと基本を身につけてきた生徒が、いよいよ秋から過去問に入って実践的な力をつけていく訳ですが、その予行演習みたいな意味合いです。
ただこれをやらないと秋以降の問題が出来ない、という性質のものでもありません。
そしてもう一つは、モチベーション(気持ち、メンタル)的な目的です。
塾によって、あこがれの学校の入試問題が解けたと自信をつけさせてみたり、わざと難関校の中でも特にひねった問題を出して自信をくじけさせたり(出来る子の天狗の鼻をへし折ったり)・・・と、様々です。
塾によって、講座によって違いはありますが(←具体名を挙げたいですが・・・やめときます・・・)、共通している考え方としては、教科の内容というよりも、生徒の精神面に影響を与えたいということです。
なので、これらの事を分かった上で、こういう講座、問題に接して欲しいと思います。
まだ基本的な事を身につけるのに時間が足りない、といったような状況にある生徒さん達にとっては、別に今やる必要は全くない、と断言しても良いようなものです。秋以降で全く問題ありません。そんな事に貴重な時間を使ってはなりません。
今のままいけば志望校に合格するだろう、というように順調に進んできている生徒さんにとっては、良い刺激になるので、挑戦してみるのも良いと思います。
また、もし古い過去問が手に入るなら、国語は解いてみるのも良いかもしれません。社会でも、特徴的な問題が出る学校を考えているなら、一度触れてみるのも良いでしょう。
③最後に。
「心技体」という言葉がありますね。
これは武道やスポーツに限った話でなく、全ての物事に通用する言葉です。
そうです。中学受験においてもです!
「心」と「技(勉強)」のお話をしてきたので、残りの「体」です。
出来れば体力をつけられれば一番良いのですが、そんな時間はないという方もたくさんいらっしゃると思います。
それでもあえて言いたいのですが、せめて健康には気をつけて欲しいのです。
例えば、睡眠時間はしっかりとる、などです。
決して寝ないで勉強しても、出来るようになる訳ではありません。むしろ脳にとってマイナスです。(身体も成長期ですし・・・。)
「体なんて勉強に関係ない、むしろ昔で言うところの青白い、がり勉タイプの方が勉強が出来そう・・・」と思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、私の経験ではむしろ逆の方が多かったです。
やっぱり脳も身体の一部ですし、集中力なんかにしても体力がある方が有利でしょう。
もちろん身体ばっかり鍛えて、勉強しなければダメなのですが・・・(笑)
「体」を無視しては受験を乗り越えられません、というか不利です。
この夏は是非とも・・・
「お身体に(健康に)充分にお気をつけてください!」
と、いうことでした。
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