「先生!うちの子はいくら言っても線を引かないんですよ!」
体験授業などをした際、国語の伸び悩んでいる生徒さんをお持ちの保護者の方々から、非常によく言われる事が多いセリフです。
特に6年生あたりになってきますと、怒りというか悲しみというか諦めというか・・・(笑)
何とも言えない表情でお話になられます。
それはどうやら、線を引かない=怠けている、言うことを聞かない、読み方が分かってない・・・etc
そんな良くないイメージがあるからみたいです。
でも、そもそもなぜ線を引くのか、どこに線を引くのか、もっと言ってしまえば、本当に線を引かなければならないのか・・・
(実際、引かなくてもいい、というか引いてはダメ!と指導する先生もいれます。逆に物凄く細かく引き方を指導する先生もいたりします。)
今回はこの問題について考えてみたいと思います。
①なぜ線を引くのか
これはもちろん良い点数を取るためです。読みやすく、問題を解きやすくするためです。
なぜこのような当たり前の事を言うかと言いますと、この目的に合ってない線引き、いわゆる線引きのための線引き?なるものを今まで何度も何度も拝見してきたからです。これはまさに
百害あって一利なし!
です。
大変な思いをして、成績は上がらない→苦痛である→ますます国語が嫌いになる→勉強したくなくなる→さらに成績が下がっていく・・・。
もはや
悲劇です!
こうなる原因の一つとしてあるのが、参考書や塾の先生のいう線だか記号なるものを、何も考えずに(ここがポイントです)マシーンのように引いているパターンです。これはもちろん指導する側にも問題があります。その先生や、そのやり方を信じていらっしゃる方が気の毒です。
そんな画一的に線や印をつけて解決する方法がもしあれば、大騒ぎになってすぐ広まって、全ての塾で採用されているはずです。
うちに来たら私達だけが知っているお子さんの「やる気スイッチ」を押してあげますよ、とある意味近いかもしれません。
このような機械的な線引きによって、良い成績を取っている生徒さんを、今まで見たことがありません。
これは国語に限ったことではないですが、
手を動かす!頭を動かす!(もちろん頭蓋骨ではなく、脳みそです。)
両方が大事です。片方だけでは、ダメなのです。
というわけで、常に「何のために引くのか」を忘れないようにしましょう!
②そもそも線は引くべきか
線引き禁止!とおっしゃる先生もいらっしゃいます。例えば、グノーブルなどは、ほとんどがそうではないでしょうか。サピックスも多い印象を受けます。もちろんそれらの塾のテキスト(本文の長さ)にも理由があることでしょう。
しかし、ある意味これも極端です。絶対にこのようにする=決めつけ=機械化=思考停止、です。
それでは、逆に絶対に引かねばならないか?
これも間違いです。
そうです。決めつけですので・・・。
では、いったいどうしたら良いのでしょう?何が正解なのでしょう?
それは・・・・・・
その生徒さんの現時点でのレベル、タイプ,性格、本文、問題・・・etc、による、です!
「それを言っちゃーお終いよー」
「元も子もないですよ・・・」
「じゃあ、ウチの子はどうしたら良いんですかぁ!」
そんなご意見も多々おありの事と思いますが、仕方ありません。これが現実ですので・・・。
③線引きはどのようにすべきか?
結局のところ、本当のプロの先生に個別で見てもらうのがベストということにはなってしまうのですが、ここでは良くない例をいくつかご紹介します。万が一やってしまっていた場合、即やめる事をオススメ致します。
1.とにかく引きまくっている。
極端な場合、本文の半分以上が線だらけ・・・なんていうパターンです。
半分以上が線ということは、逆に線が引いてない方が目立っている訳で、笑い話のようですが、実際にたまに見かけます。
とにかく引かなくっちゃ、でも引く所があまり分からない・・・。
という感じです。
塾の先生にとにかく引きまくれと言われた・・・などという恐ろしいお話を聞いた事もあります。
2.やたら変なオリジナルな記号をつけまくっている。
どこかの参考書を見たり、またはそういうのが好きな先生に言われて、実行しているパターンです。
だいたい記入するのに物凄く時間がかかりますし、そんなことばっかり考えていたら、肝心な本文の内容に集中出来ません。
おそらく国語の苦手な生徒さんが、藁にもすがるようなお気持ちで、メソッドのようなものに頼りたいのだと思います。
お気持ちは痛いほど分かるのですが、試験中にそんな事をしていたら、良い点数に結びつくとは思えません。
3.謎な文字、単語などが繰り返しマークされている。
謎などと言っては失礼かもしれませんが、他の人から見たら謎だという意味です。
本人に聞いてみると、「○○だから・・・。」と答えが返ってくるのですが、残念ながら、「なぜ○○だと引くの?」と聞いても、説明は出来ない・・という感じのパターンです。
などなど・・・、他にもたくさんあるのですが、皆共通しているのは、
そこに線を引いた方が良い理由が説明出来ない、という事です。
そこに線を引くことによって、読みやすくなるとか、問題が解きやすくなる、ミスが減るなどなど・・・
逆に言えば、そこから考えれば、どこに線をどのように引いたら良いか、自ずから見えてくるとも言えます。
また成績が上がったりするにつれ、読んだり解いたりする本文や問題のレベルやパターンによっても変わってくるはずなのです。
とにかく一番良くないのは、理由もなく頭を使わずに引く、です。
そこさえ気をつければ、色々と工夫していくのはとても良いことだと思います。
(一番良いのはプロの先生と一緒にやっていくのが一番良いのは言うまでもありませんが・・・。)
根本的な事のみ気をつけて、どんどん線や印はつけていきましょう!!
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