以前、「やる気を出すには」というものを出しましたが、成績を上げるため、やる気を出すためには「自己肯定感」、簡単に言えば「自信」のようなものが、本当に大切です。
色々な生徒さんを見てきて、これがあるかないか、強いか弱いかは勉強に対してのやる気、成績、そしてその先の合格・不合格に物凄く影響している事を実感しています。
人や環境のせいにするのは本当は間違っていて、結局は本人の意志の問題だ、と言われる事もあるし、それはウソではありません。
でも、本人の意志の力、とは言っても、「自信がない(自己肯定感が低い)」≒「意志が弱い(受かりたい、上に行きたい気持ちが弱い)」という公式になりがちなのも、また事実です。
実はそこには、周りの人達(親、先生、友達など…)の影響が大きく関係してきます。
なので、大人側としましては、少しでもその子が自己肯定感を上げ、自信を持ち、「自分には出来る→やりたい」という方向へと持っていってあげられたら、最高です。
そのためには、いったいどうしてあげたら良いでしょうか?
これさえあれば、どんどん自分から勝手に勉強していきますし、なかったら、どんなに周りが無理矢理やらせようとしても、なかなか難しいです。
ある意味、一番大切なポイントとも言えます。
そこで、それを実現するために、気をつけるべき点について、書いてみたいと思います。
目標は少しだけ上に置く。
今の自分から高すぎる目標は、やる気をなくします。
それを達成出来ない事により、どんどん自己肯定感を下げていきます。
その結果、「自己肯定感が下がる→自分はダメだという気持ちが、やる気をなくす→やらない(やれない)→点数が取れない→自己肯定感が下がる→…」のループがどんどん強化されていきます。
最終的な目標は高くても良いのですが、現実的な目標は少しだけ上にしないといけません。
そして、「それが達成されたらその少し上へ…」という風に、順番にクリアしていきましょう。
結局、それが一番やる気、自信につながっていきます。一番の近道、まさに「急がば回れ」です。
その時に是非気をつけて欲しい点が、2つあります。
まずは、その結果を「目に見える形に残す」という事です。
今月はここをやったとか、これだけ点数が上がったとか、やった事を記録に残して見返す事で達成感、自信につながります。
もう一つは、「それを達成したら物凄く褒めてあげて欲しい」という事です。
やる気を出すには、確かに自己肯定感を上げる事が大事なのですが、その時に小さなご褒美(「褒める」など)を与えると、さらに凄い効果を発揮します。
大人から本気で褒められるというのは、こちらが思っている以上に子供にとっては大きな問題です。
間違っても「たったこれくらいで褒めてなるものか。甘やかしたらこの子は、つけ上がるだけだ・・・。」なんて思わないで欲しいのです。(笑)
兄弟、友人と比べて叱らない。
これもついやってしまいがちですが、完全にアウトです。
「子供をダメにしたかったら(そんな人いないとは思いますが…)、これをしろ」と言われる程に良くないです。
受験に競争心は必要ですが、競争心を煽るのと、人と比べてダメ出しするのは、似て非なるものです。
前者はやる気に繋がりますが、後者はやる気がなくなります。
そもそも人と比べる、周りの人を基準にするというのは、上には上がありますので、キリがないです。
しかも友人など身近な人、特に兄弟姉妹などと比べられてダメ出しされたりすると、ハッキリ言って自己肯定感はとんでもなく下がってしまいます。
またそれを大切な親などから言われたりすると、潜在意識とも言うべきかなり深い所へ刻み込まれます。
さらに、「あぁ、自分という人間は、悪い所ばっかり見られてるんだ…。」となります。
自己肯定感、ダダ下がりです…。
例えは良くないかもしれませんが、「〇〇もおだてりゃ木に登る」は本当です。「子供もおだてりゃ勉強する…」です。
なので、出来れば逆に褒める方向に持っていきたいところです。
もちろんその時も「他の子と比べて」褒めるような事は、しないようにお気をつけください…。
結果でない所を褒める。
テストの結果を褒める方は、たくさんいらっしゃいます。
完全に悪いとまでは言いませんが、実はこれも問題ありです。
というのは、点数だけしか見ない場合、たまたま良い点になる事も、悪い点になる事もあるからです。
また結果だけに重きを置くようになると、勉強やテストでこっそり答えを写す…、みたいな事にもなりかねません。
これは同業者の方ならお分かりになると思うのですが、答えを写す生徒さんは実は結構いらっしゃいます。こちらからしたら、すぐに分かってしまうのですが…。
直前期の過去問を解く時にも結構います。意外に感じるかもしれませんが、真面目な子、成績の良い子だったりします。(もちろんそんな事をしていたら、合格なんて無理です・・・。)
そのような実害もそうなのですが、結果だけに重きを置くという事は、「その過程の努力に価値を感じなくなる」という事でもあります。
「結果にこだわる」というのは素晴らしいのですが、それは同時に「過程にも価値を置く」と共存するものでないとなりません。
是非とも、その子の過程の方、例えば「〇〇を毎日10分必ずやる」みたいに決めたものを3週間実行出来たら、思い切り褒めてあげてください。
ちなみにやる気を出すには、「自己肯定感」以外にも「環境」、「習慣化」などいくつかのポイントがありますが、習慣化に関しては、まず「3週間」が大切です。
まとめ
やる気を出す、成績を上げるためには「自己肯定感」を上げる事が、何と言っても必要です。
普通にやっているつもりが、もし何かのきっかけで、マイナスの方に行ってしまったら残念です。
ついやってしまいがちな、私が長年やってきて多く見かけるパターンについてお話しました。
少しでも参考になれば幸いです。
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